ファインニードルに不安なし。
スプリンターズSで財布を厚くする

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 9月30日、中山競馬場ではこの秋最初のJRA GIレースとなる、GIスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。

 出走予定馬は、一昨年、昨年と連覇しているレッドファルクス、春のスプリントGI・高松宮記念の勝ち馬ファインニードル、昨年の高松宮記念勝ち馬であるセイウンコウセイ、2014年の同レース勝ち馬スノードラゴン、2015年GI桜花賞馬で昨年の2着馬レッツゴードンキ、さらに香港GI馬ラッキーバブルズなど、多くの"名スプリンター"が出走してくる。

 今回はその中から、春のスプリント王ファインニードル(牡5歳/栗東・高橋義忠厩舎)にスポットを当ててみよう。

今年3月の高松宮記念を制したファインニードル今年3月の高松宮記念を制したファインニードル 同馬は2歳時の2015年9月にデビュー。同年11月の3戦目(京都・芝1400m)で初勝利を挙げると、徐々に力をつけて3歳5月に2勝目、10月に3勝目、4歳2月に4勝目、6月に5勝目を挙げる。そして4歳9月のGIIセントウルS(阪神・芝1200m)の6勝目で重賞初制覇を飾った。

 昨年のスプリンターズSは6番人気で12着と敗れたが、今年に入ってGIIIシルクロードS(京都・芝1200m)を勝利し、GI高松宮記念(中京・芝1200m)でGI初制覇。香港に遠征したチェアマンズスプリント(シャティン・芝1200m)でも4着と健闘し、前走のセントウルSで連覇を果たしてスプリンターズSに臨む。

 昨年は12着に敗れていることから、コース適性に疑問を持つ人もいるかもしれないが、昨年はスタートでゴチャついたため行きっぷりが悪く、流れに乗れなかったのが敗因。5月から6戦目での出走と、使い詰めのローテーションも楽ではなかった。昨年2月には同じ中山・芝1200mのアクアマリンSを勝利しているように、コースに不安はない。

 十分な実績と実力を積み上げた今年は、春のチェアマンズスプリントから約4カ月の休養をとって臨んだ前走のセントウルSを、余裕を持たせた状態で快勝。初の58キロの斤量も苦にせず、これまで勝利のなかった重馬場もアッサリ克服した。レースぶりも好位から抜け出す安定感抜群の走りを見せているだけに、不安点はほとんどないと言っていいだろう。

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