2強が注目されるオールカマー。休み明けの人気薄3頭が下克上を成す (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 最後にピックアップしたいのは、中山巧者である。オールカマーの歴史を見ると、やはり中山を得意とする馬の活躍が目立っている。

 例えば、2007年のGI有馬記念(中山・芝2500m)を9番人気で勝ったマツリダゴッホは、「中山の鬼」と称されて、オールカマーでは3連覇という快挙を達成している。

 先に触れたヴェルデグリーンも、それまでに挙げた5勝のうち、3勝が中山だった。さらに、2014年に12番人気で3着に食い込んだクリールカイザーは、それまでの全5勝中、4勝を中山で挙げていたのである。

 その視点で考えると、軽視できないのは、ゴールドアクター(牡7歳)だ。

 2015年の有馬記念を制してGI馬となった同馬。コースは問わない実力馬ではあるが、とりわけ中山では強く、有馬記念以外にも、2016年の日経賞、オールカマーと2度の重賞制覇を果たしている。

 だが、今年はアメリカジョッキークラブC(1月12日)で11着、GI大阪杯(4月1日/阪神・芝2000m)で16着と、ともに最下位。約5カ月半の休み明けという条件も重なって、到底上位人気は見込めない。

 すでに「終わった馬」といった声も囁かれているが、回復に向けてじっくりと調整されてきていれば、得意の中山で復活する可能性は大いにある。人気薄の今回こそ、狙ってみる価値がありそうだ。

 それぞれの秋を見据えて、昨年の皐月賞馬アルアイン(牡4歳)とダービー馬レイデオロ(牡4歳)も参戦する伝統の一戦。その「2強」の間隙を突いて、番狂わせを起こす馬が今年もいるのか。ここに挙げた3頭は、その有力候補であることは間違いない。

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