セントライト記念は、春のクラシック未出走の上がり馬3頭に春が来る (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 大西記者はもう1頭、超人気薄の名前を挙げて、その馬の大駆けを期待する。

メイショウロセツです。同馬は前々走の500万特別・メルボルンT(5月19日/京都・芝2200m)のあと、思い切って休養に入ったことが功を奏しました。メルボルンTでは後方からの競馬になって5着。連戦の疲れからか、思いのほか行き脚がつきませんでした。

 それが休養を取って、しっかりと精神的にもリフレッシュできたのか、前走の500万特別・英彦山特別(8月18日/小倉・芝2000m)では、好位から抜け出して快勝。本来の行きっぷりが戻ってきていたのが、何よりの好材料です。

 しぶとさが身上のこの馬の性質を考えれば、直線が長いコースよりも、前走の小倉や今回の中山コースのほうが合うと思います。前走はまだ緩さの残る状態で使ったため、『一度(レースを)使った上積みは十分に見込める』と陣営も仕上がりのよさには太鼓判を押しています。

 初勝利を挙げた4走前の未勝利戦が2400m戦。前走からの距離延長もまったく問題ありません。他馬と併せてからの勝負根性が魅力ゆえ、目標となる強力な先行馬が何頭かいるのも、この馬にはプラスに働くはず。一発の魅力を大いに感じています」

 春のクラシックは大荒れとなった3歳牡馬戦線。セントライト記念でも波乱の可能性は十分にある。まもなく始まる秋のGIシリーズの資金はもちろん、欧州のビッグレースを観戦する旅費までもたらしてくれる馬が、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。

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