京成杯オータムHは「差し馬」に妙あり。牡5歳が名誉を挽回する (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 2番手はワントゥワン(牝5歳/栗東・藤岡健一厩舎)。上がり3ハロンタイム最速32秒2を記録したことのある素晴らしい瞬発力の持ち主だ。前走の関屋記念はクビ差の2着と惜しい競馬だったが、勝ったプリモシーンの斤量が51kgだったのに対して本馬は54kgを背負っていた。さらに3着馬とは1馬身4分の1差をつけるなど、内容は高く評価していい。紅一点となった今回は53kgと、メンバー中最軽量の斤量で臨むことができるのも有利だ。

 父は大種牡馬ディープインパクトで、母はフィリーズレビューなど重賞4勝を挙げたワンカラット。距離は違えど、母もこの中山で重賞のGIIIオーシャンS(芝1200m)を勝っている縁起のいい舞台だ。同い年の叔母ジュエラーは2016年の桜花賞馬だが、故障のため6戦2勝で引退。母や叔母と馬主(青山洋一氏)が同じワントゥワンには、その思いを受け継いでの重賞初制覇を期待したい。

 もう1頭、穴っぽい上がり馬として挙げておきたいのがミッキーグローリー(牡5歳/美浦・国枝栄厩舎)。5歳ながら10戦5勝とキャリアが浅く、前走の阿武隈S(福島・芝1800m)を勝ってオープン入り。重賞に出走するのも初めてだ。

 しかし血統は素晴らしく、母メリッサはGIII北九州記念(小倉・芝1200m)の勝ち馬で、2歳下の全弟カツジは今春、今回と同じ条件のGIIニュージーランドT(中山・芝1600m)を勝利している。ミッキーグローリー自身もこのコースで2勝を挙げており、コース適性は証明済みだ。勢いと血統のよさで激走を期待したい。

 以上、京成杯オータムハンデはロードクエストとワントゥワンを中心に、ミッキーグローリーにも注目してもらいたい。

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