ダービー馬ワグネリアンの全弟、カントルも「いい切れ味を秘めている」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 これまでは中団から後方にかけての位置取りでじっくりとレースを進め、最後の切れ味勝負に徹してきたが、この日は外枠発走から先団につける積極的なレースを披露。直線を迎えて早めに仕掛けると、逃げる皐月賞馬のエポカドーロと激しく競り合って、最後は半馬身差をつけて先頭でゴール板を通過した。

 皐月賞での雪辱を見事に晴らして、世代の頂点に立ったワグネリアン。鞍上の福永騎手も悲願のダービータイトルを手にした。

 ワグネリアンには今後のさらなる活躍が期待されるが、このダービーの勝利によって、一段と注目を集めることになったのは、デビューを控えた2歳馬の全弟である。

 栗東トレセン(滋賀県)の藤原英昭厩舎に所属するカントル(牡2歳/父ディープインパクト)だ。

兄ワグネリアンに続く活躍が期待されるカントル兄ワグネリアンに続く活躍が期待されるカントル デビュー前の育成はノーザンファーム空港牧場で行なわれ、担当スタッフの大木誠司氏は、今春の取材でその様子をこう語っていた。

「カントルは、飛びのきれいな馬で、ディープインパクト産駒らしさを感じますね。バランスがよくて、走りにブレがありません。軽さとバネがあって、やはり(兄と同じく)いい切れ味を持っていそうな印象があります」

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