キーンランドCは2タイプの穴馬「3歳・洋芝適性」が夏の最後を彩る

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 夏競馬も残り2週。札幌競馬場では、スプリント戦のGIIIキーンランドC(芝1200m)が8月26日に行なわれる。

 GIスプリンターズS(9月30日/中山・芝1200m)を見据えた馬たちも、ここから何頭か始動するとあって、今後を占ううえでは見逃せない一戦だ。そして何より、非常に"荒れる"重賞ゆえ、「穴党」にとっては夏競馬を締めくくる"勝負レース"となる。

 重賞に格上げされた2006年以降、1番人気が勝ったのは、わずかに1回。過去12回のうち9頭は3着以内を確保しているものの、1番人気にとってはある意味で"鬼門"のレースと言える。昨年も12番人気のエポワスが大金星を挙げ、2015年には8番人気のウキヨノカゼが、2008年には16番人気のタニノマティーニが勝利して、大波乱を起こしている。

 今年は前評判によると、豊富な実績を持つレッツゴードンキ(牝6歳)や、安定感のあるナックビーナス(牝5歳)あたりが人気になりそうだ。だが、デイリー馬三郎の木村拓人記者は、この2頭について「全幅の信頼は置けない」という。

「レッツゴードンキとナックビーナスの2頭は、どちらも"勝ち切れない馬"ですよね。特にナックビーナスは昨年のこのレースが3着で、今年も重賞ではここまで4戦して、5着、2着、3着、3着と、もうワンパンチ足りない。

 そこで今回、その不足分を補う意味でジョアン・モレイラ騎手を鞍上に起用。それゆえ、人気にもなるんですが、逆にそこにスキがあるのではないか、と持っています。

 というのも、意外にもモレイラ騎手は、短い距離のレースで人気馬に騎乗して取りこぼすことが多いんです。日本ではもう少し距離があるレースのほうが、フィットしやすいんじゃないかと見ています」

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