2億8000万円のサトノソロモンは
「短所がないのが、最大の長所」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 そんな話題の若駒について、育成を担当したスタッフはどんなふうに見ていたのだろうか。ノーザンファーム早来の山内大輔氏は、春の取材でこんなコメントを残していた。

「サトノソロモンは、大跳びで、動きがよくて、性格も落ち着いていますね。短所が見当たらず、それが最大の長所と言えるでしょう。本当にバランスがよくて、すごく優等生です。ウチの中でもトップクラスの1頭ではないでしょうか」

 育成の初期から、周囲の評価が高かったというサトノソロモン。さらなる成長が見込めれば、より期待は膨らんでいくことだろう。山内氏が続ける。

「育成を始めたときから、本当に完成度が高くて、バランスのよさが印象的でしたね。育成を進めても、その印象のまま、ここまで来たと思います。さらに、この状態からもう一段上に成長してくれたら、より楽しみですね」

 当初、同馬は夏のデビューも視野に入れていたが、暑さの影響もあって、秋以降の始動を見込んでいるとのこと。じっくりと英気を養って、初陣に向けて万全の調整を進めていくことになるだろう。

 生まれて数カ月で、2億円超えの超高額で取引されたサトノソロモン。競走馬として、どれほどの輝きを放つことができるのか。その走りを早く見てみたい。

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