札幌記念は3頭のハナ争いに注目も、鼻高々になっちゃうのは別の馬 (2ページ目)

 1頭は、前半から速いペースで逃げることを得意とするマルターズアポジー(牡6歳)です。

 同馬はゲートが抜群に速いというわけではありませんが、スタートしてからのダッシュ力があり、スピードに乗るのが早く、またテンのスピードも速いため、先手を取りやすいのです。実際、デビューしてから一度も、逃げられなかったことはないようです。トータル27戦も消化していることを考えると、これはこれで珍しいことだと思います。

 2頭目は、昨年の日本ダービー(東京・芝2400m)でも果敢に逃げて、4着と好走したマイスタイル(牡4歳)です。

 現状、逃げなかったレースではいい結果が出ておらず、だからこそ、連勝を飾ったここ2戦は逃げにこだわったのでしょう。1000万特別、1600万特別と格下の条件戦でしたが、2戦とも強い内容でした。

 さらにもう1頭、3歳馬のアイトーン(牡3歳)がいます。

 これまでに勝った3勝は、すべて逃げ切り。前走は番手からの競馬ができて3着と好走しましたが、逃げたときのほうがいい走りをしていますね。

 マイスタイルとアイトーンの2頭は、前に馬を置かず、それでいて後ろから突かれる形のほうが、馬が走る気になるようです。ただ、どちらもスタートダッシュが特別に速いというわけではなく、スタートから押していかなければ、なかなかハナには立てません。スピードの絶対値の違いで先手を取っているマルターズアポジーとは、ちょっとタイプが違いますね。

 そうすると、やはり今回もマルターズアポジーがハナを切りそうですが、マイスタイルも、アイトーンもハナを切りたいと思うはず。ある程度はハナを主張していくことになるのではないでしょうか。

 この枠(1枠1番マルターズアポジー、2枠4番マイスタイル、8枠16番アイトーン)の並びなら、アイトーンは外から被される心配がないので、積極的にいきそうですね。場合によっては、1コーナーを回ってもハナを主張してくるかもしれません。

 そうなった場合、マルターズアポジーとアイトーンの前2頭で引き離した形になると思うので、離れた3番手にマイスタイルといった感じでしょうか。仮にこの隊列になれば、マイスタイルは3番手でも事実上単騎で逃げているようなレースができるかもしれませんね。

 どちらにしても、先団は息の入らない厳しい展開になりそうです。

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