マカヒキもマサカと驚く可能性。札幌記念は4歳の牡牝2頭に勝算あり (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yamane Eiichi/AFLO

 種牡馬ではディープインパクトが122戦16勝でトップ。以下、ステイゴールド、マンハッタンカフェと続く。有力どころの種牡馬ではキングカメハメハが札幌芝2000mでは7位の6勝という数字だが、同産駒のサクラアンプルールが昨年の勝ち馬になっているため、あまり気にする必要は無さそうだ。

 今回最大の注目馬は、やはり2016年の日本ダービー馬マカヒキ(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)だろう。2016年9月にフランスのGIIニエル賞(芝2400m)を勝って以来勝利から遠ざかっているが、昨年はGI大阪杯4着、GI天皇賞・秋5着、GIジャパンC4着と、GIでも大崩れなく走っていた。

 父ディープインパクト、鞍上のルメール騎手は前述のようにこのコースと相性がいい。ただ、気になるのは骨折明けで約9カ月ぶりとなるレース間隔だ。札幌記念は、過去10年で半年以上のレース間隔で出走した馬は6頭いて、2011年レッドディザイアの3着が最高。比較的後方からレースを進める馬でもあり、このコースということも考えると信頼は置きづらい。秋のGIレースを目標としているように思われるだけに、今回は本命から外したい。

 そこで今回狙いたいのがマイスタイル(牡4歳/栗東・昆貢厩舎)だ。3歳時にGII弥生賞(中山・芝2000m)2着、GI日本ダービー(東京・芝2400m)4着と、クラシック戦線で好走を続けていた同馬は、この夏に1000万下に降級。函館の洞爺湖特別(1000万下、芝2000m)、五稜郭S(1600万下、芝2000m)を勝ってここに臨む。

 格下のレースとはいえ、函館の同距離で連勝してきたことから、パワーとスタミナが必要な洋芝(札幌、函館競馬場で使用されている寒地性の密度の濃い芝)コースに適性があるように感じられるし、勢いは申し分ない。ここ2戦は逃げ切りだが、3歳時のこぶし賞(500万下、京都・芝1600m)では3番手からの競馬で勝利しており、逃げにこだわる必要もない。父ハーツクライの産駒も、札幌芝2000mは70戦7勝と悪くない数字が残っているため、重賞初制覇の期待は大きくなる。

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