小倉記念は人気薄馬に希望あり。牡6歳が「重賞初制覇」で男をあげる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yamane Eiichi/AFLO

 今年は小倉記念で5戦目だが、前走は約3カ月ぶりの出走で、今回はそれから3週間の間隔を開けているため、ローテーション的にも無理はない。また、前走が七夕賞だった馬は、昨年に七夕賞6着から勝利したタツゴウゲキなど、過去10年で3勝、2着が3回、3着が3回というデータも心強い。

 騎乗予定の和田竜二騎手は、マイネルサージュには初騎乗だが、6月24日の宝塚記念で17年ぶりのGIレース勝利を果たして勢いに乗っている。小倉芝2000m成績も過去約5年で6位の8勝と、好成績を残しているのも好材料だ。マイネルサージュは七夕賞2着とはいえ、それほど人気を集めないことが予想されるだけに、馬券的妙味は大きい。

 他のハービンジャー産駒は、サンマルティン(セン6歳/美浦・国枝栄厩舎)とレイホーロマンス(牝5歳/栗東/橋田満厩舎)。前者は昨年の同レース2着馬で、後者は今年のGIII愛知杯(中京・芝2000m)で2着など、2頭とも重賞実績があるため馬券圏内に入ってきそうだ。

 近走の充実ぶりや血統面からは、ストーンウェア(牡6歳/栗東・吉田直弘厩舎)も気になるところ。この馬もマイネルサージュと同じ6歳馬で、昨秋のノベンバーS(東京・芝2000m)を勝ってオープン入りした遅咲き。今年に入り、福島民報杯3着、OPメイS(東京・芝1800m)2着と好走を続けて小倉記念に臨む。

 メイSでは、次走でGIIIエプソムCを勝ったサトノアーサーに先着し、上がり3Fはメンバー中最速の33秒9を計時するなど好内容だった。重賞での実績は昨年暮れのGIII中日新聞杯(中京・芝2000m)15着のみだが、今の充実ぶりなら重賞初勝利も夢ではないだろう。

 血統は父が米クラシックレースのベルモントSを勝ったバードストーンで、牝系は牝馬2冠のベガ、桜花賞馬ハープスターが出た名門アンティックヴァリュー系。2014年にこのレースの勝ち馬となったサトノノブレスも近親という筋の通った血統だ。

 以上、今年の小倉記念はマイネルサージュ、ストーンウェアの6歳馬2頭の重賞初制覇を期待したい。

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