宝塚記念の穴馬「この3頭半端ないって。そんなん来いひんやん、普通」 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Shutterstock/AFLO

「いえ、それ以上に注目している馬がいます。キセキ(牡4歳)です。昨年の菊花賞(京都・芝3000m)では、勝ちタイムがレコードより15秒も遅くなった記録的な不良馬場にあって、直線で突き抜けてきました。その脚力は現役屈指と見ています。

 ただ、1番人気にはならないとはいえ、『穴馬』とは言い難いですよね。そこで狙いたいのが、香港からの"刺客"ワーザー(せん7歳)です」

 宝塚記念における外国馬の出走は、実に21年ぶり。香港調教馬の参戦は初となるが、はたしてどうだろうか。

「今年4月の『香港チャンピオンズデー』の取材で香港に行ったとき、ワーザーを管理するジョン・ムーア調教師に取材をしました。その際、こんな力強い言葉が返ってきたんです。

『(我々は日本へ)旅行へ行くんじゃない。勝ちにいくんだ。しかも、6月の日本は雨の多い時期だと聞いているからね』と。

 実際に同馬は、やや重で行なわれた2016年のクイーンエリザベス2世C(シャティン・芝2000m)で、ラブリーデイ、サトノクラウン、ヌーヴォレコルトといった日本の精鋭を一蹴した強豪馬です。そんな馬が、2月の香港ゴールドC(シャティン・芝2000m)で2着後、鼻出血を発症。春の地元の大一番までには復帰できないため、馬場渋化を見込んで日本遠征に舵を切りました。

 マイル戦の前走ライオンロックトロフィー(6着。6月3日/シャティン・芝1600m)は明らかな距離不足に加え、何度も進路を取り直すチグハグな競馬。得意の中距離戦に戻れば、一変があっていいはずです」

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