宝塚記念、香港馬ワーザーをわざわざ連れてきたムーア師に勝算あり! (4ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

「前走は、完全にトラフィックジャム(渋滞)だった」

 ひと叩きの一戦を、まずそう振り返ったムーア調教師。両手を胸の前でパンパンと軽く当てながら、結果については不満そうに語ったが、その表情は明るく、自信に満ちあふれていた。

「3カ月半ぶりのレースを一度使って、(宝塚記念に向けての)仕上がりはよくなっています。飛行機での輸送も、ニュージーランドやオーストラリア、そしてここ(香港)へ来るときにも経験しているので、問題はありません。実際、今回も『(輸送は)うまくいった』と、帯同したアシスタントから連絡が入っています」

 今回、ワーザーは事前に大きな"運"も手繰り寄せている。実は、4月の時点では香港ダービーを含むGI4勝の手綱をとったヒュー・ボウマン騎手に先約があったのだが、急遽その話がなくなって、最強パートナーを再び鞍上に迎えることができたのだ。ムーア調教師が語る。

「彼が一番この馬のよさを出してくれますからね。しかも彼は、日本の競馬の経験も、実績も十分。心強いこと、このうえない。いい運が向いてきたと思います」

 最後に勝算をたずねると、ムーア調教師はきっぱりと言った。

「馬もフレッシュで、騎手もベスト。これで、いい結果が出なければ、言い訳のしようがありません。楽しみにしていただいて、いいですよ」

 体調管理も調整も難しい季節。日本勢が万全でなければ、本気度で勝る香港馬の一発があってもおかしくない。

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