大荒れ確実のマーメイドS。
この「5頭ボックス」が大富豪への第一歩

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 片や吉田記者は、軽ハンデの条件馬を3頭ピックアップ。それぞれ現状の調子のよさを買って、穴馬としてオススメする。

「1頭目は、エマノン(牝5歳)です。これまでは、ワンターンのコースでスムーズな競馬ができないと脆かったのですが、コーナー4つの小倉・芝1800mで行なわれた2走前の大宰府特別(3月4日)では、好位から上手なレース運びで2着と好走。そして、前走の糺の森特別(4月29日/京都・芝1800m)では、得意のワンターンのコースで好位の外目を追走。4コーナー手前から唸るように進出し、直線では大きめのストライドでしぶとく脚を伸ばして快勝しました。

 まだ1000万下を勝ち上がったばかりですが、ここ2走のレースぶりから、気性の安定と体調のよさが感じられます。前走後はゆったりと間隔をあけて、その間には好調教を連発し、ここに向けて至極順調です。心身ともに充実し、馬体や走法からも阪神・芝2000mは問題なし。時計面でも見劣ることはなく、50kgの斤量で先行馬が少ない組み合わせゆえ、楽しみは増すばかりです」

 エマノンは、今年のGI大阪杯(阪神・芝2000m)を制したスワーヴリチャードの全姉。その底力は、決して軽視できない。

「2頭目は、ディープインパクト産駒のアルジャンテ(牝5歳)です。週末の天候を鑑(かんが)みれば、晴雨兼用タイプと言える同馬は心強い存在。道悪でのレース経験はほとんどありませんが、大跳びで吹かしつつギアを上げられるタイプなので、渋い馬場も問題なくこなせるはずです。

 また、このメンバーの中なら、マイル戦の持ち時計は上位。出遅れ癖がありますが、それを踏まえての距離延長と見れば、その狙いは悪くありません。初めての2000m戦ながら、魅力はいっぱいです。有力馬が早めに動く消耗戦となれば、破壊力のある末脚を秘める同馬が、52kgの軽ハンデを生かして結果を出す可能性は大いにあります」

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