元ダービージョッキーは言う。あの「評価ガタ落ちの1頭」は侮れない (5ページ目)

 皐月賞では、前述のキタノコマンドールやグレイルに伸び負けて、差し返す面も見られずに7着と惨敗。馬場の影響があったとしても、確かに内容は悪すぎます。

 とはいえ、今回はコースが変わるため、見直せるところもあるのではないでしょうか。

 この馬は、スピードに乗るのに時間がかかるようなので、中山のように最終コーナーがきつく、しかも直線が短く、そのうえ急坂があるコースでは、スピードに乗れず、力を出し切れないのも仕方がないと思います。

 それが今回は一転して、コーナーが緩く、直線が長い東京コース。坂はあるものの、中山ほど急坂ではないため、スムーズに加速してスピードに乗っていけるのではないでしょうか。

 鞍上は、福永祐一騎手。ここまでに挙げたダノンプレミアム(川田将雅騎手)、ブラストワンピース(池添謙一騎手)、グレイル(岩田康誠騎手)、そしてキタノコマンドール(デムーロ騎手)に騎乗するジョッキーと違って、まだ日本ダービーでの勝利はありません。

 しかし2着は2回ありますし、上位人気馬(3番人気以内)での騎乗も5回もあります。ダービーを勝つだけの経験は、もう十分に積んできたと思います。

 逆に"勝っていない"という反骨心を糧にして、会心の騎乗ができれば、チャンスはあると見ています。劇的な一発を期待したいですね。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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