ブラストワンピースのダービー戦略。「異例のローテ」にはワケがある (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「とはいえ、デビュー戦のパフォーマンスを見ると、いい能力を持っているのは確かでした。その後、2戦目に臨むまでは、きちんと調教ができましたし、デビュー戦よりもさらにパフォーマンスは上がるだろう、と思っていましたね」

 そのとおり、あるいはそれ以上に、ブラストワンピースは2戦目で素晴らしいパフォーマンスを披露した。

 迎えた運命の3戦目。先のある馬だからこそ、「ここでダメならダービーは仕方がない......」と腹をくくっていた毎日杯である。

 前走のレースぶりから、初めて1番人気に推された。ブラストワンピースは、その人気と陣営の期待にきっちりと応えた。

 スタート後、前走とは一転してスッと2番手の好位に取りついた。そのままスムーズに折り合うと、直線では内の狭いところを反応よく抜け出した。一瞬、内ラチに接触してヒヤッとさせられたが、馬の勢いは衰えない。上がり33秒9。最後は手綱を抑える形で、堂々の3連勝を飾った。

「毎日杯は満足のいく競馬になりました。スタートは少し遅れ気味でしたが、すぐに2番手につけて、いいレース運びでしたね。直線の反応も鋭く、余裕もありました。

 レース後は、一度こちらに戻ってきて、いつもどおり背腰のケアを入念に行ないました。その後も、いたって順調です」(木實谷氏)

 疲労が残りやすい体質を考えて、陣営が選んだ異例のローテーション。ブラストワンピースは、その中でしっかり結果を出し、日本ダービーという最高峰の舞台にたどり着いた。

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