強豪不在の天皇賞・春。「これなら
オレにも...」とヤル気の4頭で稼ぐ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 今年の天皇賞・春(4月29日/京都・芝3200m)は"異常事態"となった。

 というのも、過去1年以内に重賞を勝った馬が、17頭中7頭のみ。GI勝ち馬に至っては、シュヴァルグラン(牡6歳)1頭しかいないのだ。春の最強ステイヤー決定戦としては、いささか「物足りない」という声が挙がるのも、納得である。

 だが逆に言えば、そうした状況なら、多少実績の足りない馬でもつけ入る隙が十分にあるということ。さらに、17頭もの出走馬が集まったことを思えば、"紛れ"も大いに考えられる。

 とすれば、「穴党」の出番だろう。ところが、日刊スポーツの木南友輔記者はこう語る。

「正直、どの馬が人気になるのか、読めないところがありますね。おそらくシュヴァルグランが1番人気になると思いますが、それでも圧倒的な支持を得るまではいかないと思います」

 穴党としては「そこが悩ましい」と言って、木南記者が続ける。

「先日、栗東で取材をしたときに、クリンチャー(牡4歳)やガンコ(牡5歳)の感触がよかったんですね。そこで、それらを『人気にならないなら』と(穴候補に)考えていたのですが、2頭とも"穴"というほどのオッズにはなりそうもなくて......」

 また、今年の天皇賞・春に関しては「馬場の傾向がつかみづらい」という話もある。昨秋の大雨の影響により、年明けの1月、2月開催では時計がかかる決着が多かったため、この春も同じ馬場状態にあると想定されていたのだが、開幕週のメインレース、GIIマイラーズC(京都・芝1600m)では、なんとレコードタイムが記録されたのだ。

 この馬場状態を踏まえたうえで、デイリースポーツの大西修平記者は、重賞未勝利ながら実績豊富な馬を推奨する。

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