天皇賞・春の穴馬3頭。うち1頭は「くれば蔵が建つ」レベルの破壊力

  • text by Sportiva
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 4月29日に行なわれる伝統のGI天皇賞・春(京都・芝3200m)。今年は、古馬中距離路線の主力級がGI大阪杯(4月1日/阪神・芝2000m)を最大目標とし、同レースの上位勢がここに向かってこなかったため、「主役不在」の混戦模様となっている。

 こうなると、期待したくなるのは当然"大荒れ"のシナリオだ。3200mの長距離戦だからこそ、人気の盲点となったステイヤーが距離適性を武器にして大仕事をやってのけてもおかしくない。

 実際、この舞台はそんな大波乱がしばしば起きている。

 2009年には、12番人気のマイネルキッツが金星を挙げた。重賞未勝利だった同馬が長丁場のレースで真価を発揮。単勝配当は4650円もついた。

 さらにすごかったのは、2012年。圧倒的1番人気のオルフェーヴルが11着に沈むなか、14番人気のビートブラックが勝利。その結果、単勝が1万5960円の万馬券となり、2着トーセンジョーダン(3番人気)、3着ウインバリアシオン(2番人気)との3連単に至っては、145万2520円という超高配当となった。

 今年も、そんな波乱の展開を夢見て、この舞台で花開く穴馬を探してみたい。参考にするのは、前述のマイネルキッツとビートブラックだ。

 マイネルキッツは、それまで2000mのGIIIで2度の2着があったものの、重賞勝ちはなかった。そのため、天皇賞・春の前哨戦となるGII日経賞(中山・芝2500m)でも7番人気の低評価だった。

 しかしそこで、その人気に反発して2着と好走すると、続く天皇賞・春でも12番人気の前評判を覆(くつがえ)して、重賞初勝利をGIで決めた。

 日経賞で2着となっても天皇賞・春で人気が上がらなかったのは、メンバーの厚みが増したことがひとつ。もうひとつは、日経賞でさえ人気薄だったため、その結果がフロックと見られてしまったのだろう。

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