キタサンいなけりゃオレの出番。天皇賞・春はシュヴァルグランが主役だ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Nakahara Yoshifumi/AFLO

 父ハーツクライは現役時代、この天皇賞・春(2005年)では5着(8番人気)と敗れているが、産駒は好成績で、勝ち馬こそ出していないものの、2014年ウインバリアシオン、2015年フェイムゲーム、2016年カレンミロティック、2017年シュヴァルグランと最近4年連続で2着に入り、3着も2015年カレンミロティック、2016年シュヴァルグランの2回ある。シュヴァルグランは3着→2着と来ているので、今回は1着をとりたいところだ。今回はジャパンCを勝ったときのボウマン騎手に戻るので、相性の良い鞍上面の強化も大きい。

 シュヴァルグランに続く馬としては、前走のGII阪神大賞典(3月18日/阪神・芝3000m)で2年ぶりの重賞制覇を果たしたレインボーライン(牡5歳/浅見秀一厩舎)を取り上げたい。前回の重賞勝ちは芝1600mのGIIIアーリントンCで、これまでGINHKマイルC(東京・芝1600m)3着、GI菊花賞(京都・芝3000m)2着、GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)3着と、さまざまな距離のGIで好走を見せているユーティリティープレーヤーである。昨年のこのレースは12着に敗れているが、出遅れて流れに乗れなかった。前走で重賞勝ちを果たした充実ぶりがうかがえる今年は、好走必至だろう。

 レインボーラインは何より血統面の魅力が大きい。父ステイゴールドの産駒は2013、14年フェノーメノ、2015年ゴールドシップで3勝。天皇賞・春3勝はサンデーサイレンスの4勝に次ぎ、オペラハウスと並ぶ歴代2位の勝利数である。

 さらに母の父フレンチデピュティは2008年の勝ち馬アドマイヤジュピタの父。祖母の父レインボーアンバーの父アンバーシャダイは1983年の勝ち馬で、1998年勝ち馬メジロブライト(父メジロライアン)の父系祖父。さらに曽祖母の父ファーストファミリーは1981年の勝ち馬ホウヨウボーイの父である。5代血統表内には、天皇賞と相性の良い血が凝縮されているのだ。まさにこの舞台にピッタリの血統馬と言えるだろう。

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