キタサンいなけりゃオレの出番。天皇賞・春はシュヴァルグランが主役だ

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Nakahara Yoshifumi/AFLO

 今週末29日、京都競馬場では4歳以上によるGI天皇賞・春(芝3200m)が行なわれる。JRAで行なわれるGIでは最長距離で、最強ステイヤー(長距離馬)決定戦と位置づけられるレースである。

 一昨年、昨年と連覇したキタサンブラックは昨年いっぱいで引退し、昨年のGI菊花賞(京都・芝3000m)を勝ったキセキも出走しないが、昨年のGIジャパンC(11月26日/東京・芝2400m)でGI日本ダービー馬レイデオロと前述のキタサンブラックを破ったシュヴァルグラン(牡6歳/友道康夫厩舎)が出走してくる。唯一のGI馬でもあり、同馬が最大の注目馬となるだろう。

昨年のジャパンCを制したシュヴァルグラン。今回はその時と同じ、ボウマン騎手が手綱を取る昨年のジャパンCを制したシュヴァルグラン。今回はその時と同じ、ボウマン騎手が手綱を取る 同馬はこのレース、3年連続の出走となる。一昨年はキタサンブラック、カレンミロティックに続く、勝ち馬から0秒2差の3着、昨年はキタサンブラックから0秒2差の2着だった。ここまで勝利した重賞は3勝で、ジャパンCの他には2016年GII阪神大賞典(阪神・芝3000m)、2016年GIIアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)と、全て2400m以上というステイヤーだ。

 中でも3000m以上の距離では4戦して1勝、2着2回、3着1回と安定して結果を残している。前走のGI大阪杯(4月1日/阪神・芝2000m)は13着と大敗したが、中距離戦のスローペースでの瞬発力勝負という、この馬向きではない展開になってしまったので、度外視していいだろう。

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