ワグネリアン、皐月賞は「ダービー戴冠へ向けた調整」説は本当なのか (4ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 この馬にとって『何をするのがダメなのか』というのも弥生賞でわかった。さらに皐月賞でもいろいろなことが試せるわけです。それらで得た教訓を生かすことができれば、ダービーでは巻き返しが可能でしょう。ダノンプレミアム相手にも、いいレースができるのではないでしょうか」

 ダービーの舞台となる東京では、東スポ杯2歳Sを圧勝している。多少エンジンのかかりが遅くても、それが決して致命的なマイナスにはならない。

 不得手な中山で、ダノンプレミアムとはコンマ2秒差だった。得意舞台に変われば、十分に逆転できる差である。

「それを実現するためにも、注目すべきは馬体重。弥生賞で減った体がどこまで戻っているか。皐月賞で8kgほど、さらにダービーで6kgぐらい増えていれば、理想なんですが。そうすれば、あの自慢の末脚に、さらに磨きがかかるはずです」(専門紙記者)

「二兎を追うものは......」の例えもある。目標が大きければ大きいほど、狙いはひとつに絞ったほうがいい。弥生賞の結果は、いわゆる「災い転じて......」ということかもしれない。

 まずは目前の皐月賞。ワグネリアンにとっては、さらなる成長と課題修正を図るレースとなりそうだ。あくまでも勝負は次、"ライバル"との再戦の舞台ともなる日本ダービーである。

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