ダノン回避でチャンス。「皐月賞狙いなのに人気落ちの2頭」で稼げる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo /AFLO

 タイムフライヤーの父ハーツクライの産駒は皐月賞では6戦して、2014年ワンアンドオンリーの4着が最高。先日のGI大阪杯を勝ったスワーヴリチャードも昨年2番人気で出走し、6着と皐月賞とは相性が良くないが、タイムフライヤーは既に同コースで勝利しているし、血統も深く見ていくと裏付けがある。

 父と母の父ブライアンズタイムの組み合わせは、GIIIダービー卿チャレンジトロフィー(中山・芝1600m)とターコイズS(中山・芝1600m)の2重賞を勝ったマジックタイムと同じであるし、ブライアンズタイム自身は1994年ナリタブライアン、1997年サニーブライアン、2002年ノーリーズン、2007年ヴィクトリーと4頭もの皐月賞馬を送り、母の父としても2016年の勝ち馬ディーマジェスティ(父ディープインパクト)を出している。いかにも皐月賞向けの血統構成なのだ。伯父にGIジャパンCダートなどGIを5勝したタイムパラドックスがいる血統も優秀で、スタミナとパワーが感じられるし、雨が降って馬場が渋ってもそれがプラスに働きそうだ。

 展開も向きそうだ。今回はケイティクレバー、アイトーン、エポカドーロ、ジュンヴァルロと、過去に逃げて好走した馬が多く、これらの馬が激しい先行争いを繰り広げれば、先行勢は苦しくなり、後方からレースを進め、スタミナのあるこの馬向きの展開になるだろう。

 続いて挙げるのはサンリヴァル(牡3歳/藤岡健一厩舎)。同馬は9月のデビュー戦(新潟・芝1800m)を制し、続くOP芙蓉S(9月24日/中山・芝2000m)で2連勝。GIホープフルSを4着、弥生賞を4着という臨戦過程でここに臨んでくる。ここ2戦、4着が続いているが、ホープフルSは約3カ月ぶりでプラス8kgの馬体重、弥生賞も約2カ月ぶりでプラス10kgの馬体重と、休み明けで幾分余裕のある仕上げだったことが伺える。成長期でもあり、無理のないローテーションを選択していたのだろう。

 今回は芙蓉S以来、久々にレース間隔を詰めての出走となる。芙蓉S以降3戦続けて中山芝2000m戦に出走しているように、皐月賞を意識してここまで調整してきたと思われる。

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