安藤勝己はあの馬を切った。皐月賞、ダービーを読む「3歳牡馬番付」 (4ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

関脇:キタノコマンドール(牡3歳)
(父ディープインパクト/戦績:2戦2勝)

 この馬も完成度という点では、ブラストワンピースと同様、皐月賞トライアルの上位馬たちには及ばないと思う。ただ、仕上がってきたら、先々はもっと走ってきそうだという予感がある。それが、ダービーまでに間に合うのか、あるいはその前の皐月賞でも走ってしまうのか、そこは何とも言えないところだけど、将来性への期待を多く含んで関脇の評価にした。

 そもそも馬体に緩いところがあって、仕上がりが遅れていたから、厩舎サイドとしてはここまで、「ダービーに間に合えば......」というスタンスで使ってきたらしい。2戦目のすみれS(2月25日/阪神・芝2200m)も(厩舎としては)半信半疑で、当初は皐月賞出走も考えていなかったみたい。

 それが、あの強い競馬だからね。道中はずっと最後方を追走し、4コーナー手前から大外を駆け上がっていくと、直線ではグイグイと力強く伸びて差し切り勝ちを収めた。

 普通、キャリア2戦目であれだけの競馬はできないよ。それができたということは、素質の高さ以外の何物でもないと思う。この馬には、もっと奥がありそうな感じがするね。


小結:ステルヴィオ(牡3歳)
(父ロードカナロア/戦績:5戦3勝、2着2回)

 皐月賞トライアルのスプリングS(3月18日/中山・芝1800m)は、この馬の特徴がよく出たレースだった。本来であれば、直線半ばで先頭に立ったエポカドーロがそのまま押し切るような展開。それを、しぶとく捉えて並んで、最後は競り合いからほんの少しだけ差し切った。ほんと、よく捕まえたよね。

 あの並んでからの強さが、この馬の持ち味。つまり、いい勝負根性を持っているということだよ。決して派手さはないけど、いつもきっちり結果を出しているタイプ。

 だいたい、2回負けているとはいえ、いずれも勝ったのはダノンプレミアムだからね。裏を返せば、ダノンプレミアム以外には負けていないってこと。その実績から能力の高さは明らかだよ。

 それでも、小結という評価にとどまるのは、馬体の迫力が今ひとつだから。ちょっと詰まった感じがあるのも気になる。こういうタイプは、距離が延びることがプラスにならない。皐月賞はいいレースをしてくると思うけど、ダービーとなると、ちょっと厳しいかもしれないね。

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