安藤勝己はあの馬を切った。
皐月賞、ダービーを読む「3歳牡馬番付」

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO


毎日杯を制したブラストワンピース毎日杯を制したブラストワンピース大関:ブラストワンピース(牡3歳)
(父ハービンジャー/戦績:3戦3勝)

 大関と関脇はダノンプレミアムと未対戦の2頭で悩んだけど、あえてハービンジャー産駒のこの馬を上にした。ディープ産駒ばかりじゃあ、面白くないからね(笑)。

 ハービンジャー産駒は、派手さはないけど、ここ一番に強い。欧州系でスタミナ豊富だから、距離面でも魅力がある。この馬は、前走・毎日杯(3月24日/阪神・芝1800m)を勝ったあと、皐月賞には向かわず、ダービーに直行するそうだけど、血統的な適性からして、いい判断だったと思うよ。

 おそらく完成度という点では、ダノンプレミアムをはじめ、皐月賞のトライアルを使った馬たちには、まだ及ばないと思う。でも、先にいってよくなりそうという雰囲気は十分に感じられるから、期待どおり成長してくれれば、ダービーでは皐月賞組の強力なライバルになるだろうね。

 いいところは、何と言っても終(しま)いの脚。後方から豪快に差し切ったゆりかもめ賞(2月4日/東京・芝2400m)とは違って、毎日杯では前で折り合いをつけるレースに徹していたけど、それでも最後の脚は強烈だった。直線ではインの狭いところに入っていったんだけど、まるでそれを楽しむように、素早く抜け出してきた。ひとつ、ひとつ課題を克服しつつあるという感じがしたね。

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