「天敵」が消えた! 皐月賞V候補に浮上したステルヴィオに不安は? (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 続いて挑んだのが、ダノンプレミアムとの再戦となったGI朝日杯FS。再びダノンプレミアムには屈したが、切れのある末脚を繰り出して2着を死守した。

 そして今年は、GIIスプリングS(3月18日/中山・芝1800m)で始動。休み明けながら、先行して抜け出したエポカドーロをゴール前できっちりとらえて3勝目を飾った。

 こうしたキャリアを見ればわかるとおり、同馬が負けたのはダノンプレミアムのみ。その最大のライバルが不在となれば、皐月賞で勝ち負けが期待されるのは当然のことだ。

 実際、本番に向けて調子は上向きだという。関東競馬専門紙のトラックマンが、陣営の手応えを伝える。

「皐月賞に向けて、ステルヴィオの調整は順調に進んでいるようですね。コンビを組むルメール騎手が皐月賞の1週前追い切りに乗ったのですが、『以前より成長している』と言って、好感触を得ていました。ここまで、レースでは一度も崩れたことがないですし、本番でもその安定感は強みになると思います」

 ただ一方で、ルメール騎手や陣営のスタッフは、皐月賞の舞台となる中山コースへの不安を感じているという。それについて、先述のトラックマンが明かす。

「ステルヴィオはレースを重ねるごとに、反応が鈍くなっているというか、エンジンのかかりが遅くなっているようなんです。コーナーのさばきもぎこちなくて、そこで『遅れを取りやすい』という話が陣営からも漏れています。

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