桜花賞のジンクス「前哨戦で負けた
リリーノーブルが勝つ」は正しいか

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 デビュー時の馬体重が502kg。以降も494~498kgという馬体をキープしており、リリーノーブルは比較的大型の牝馬である。一度使われての効果は、他の馬以上に大きいはずだ。

 そんな、どちらかと言えば"叩き良化型"でありながら、リリーノーブルは新馬戦もあっさり勝ち上がっている。同馬はそれだけ、レースセンスが優れているということ。大西記者が言う。

「リリーノーブルはスタートが速く、どんな位置にあっても競馬ができるセンスのよさを持ち合わせています。その最大の長所であり、持ち味は、大舞台で結果を出すには欠かせないものです。さらに、この中間の攻め気配からは、末脚の破壊力が増してきた印象があります」

 レースを翌週に控えた3月29日には、坂路で3ハロン38秒1、ラスト1ハロン12秒1と、軽快な動きを見せたリリーノーブル。その動きは、チューリップ賞の前週よりも、明らかに鋭さを増していた。

 また、鞍上が先々週のGI高松宮記念をファインニードルで制した川田将雅騎手というのも心強い。

「大舞台に強い川田騎手が、本番できっちりとリリーノーブルの力を引き出してくれるはず。前走以上のパフォーマンスを期待していいと思いますよ」(大西記者)

 父ルーラーシップ、祖母バプティスタと、血縁はクラシックに駒を進めたものの、戴冠を遂げるまでには至らなかった。そんな一族の"無念の歴史"に、リリーノーブルがついに終止符を打つのか、必見である。

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