アンカツ氏が自信ありげ。桜花賞、オークスを占う「3歳牝馬番付」 (4ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

小結:マウレア(牝3歳)
(父ディープインパクト/戦績:5戦2勝、2回1回、3着1回、着外1回)

 この馬もラッキーライラックには勝てないけど、リリーノーブルとは勝ったり、負けたりだから、能力的には世代トップレベルの1頭と言える。どんなレースでも最後は確実に伸びてくる、というのがこの馬の強み。勝負根性にもいいものがありそうだ。

 ただ、「確実に伸びてくる」というのは、「これ以上伸びない」という裏返しでもあるわけで、桜花賞の出走メンバーを相手にして、どれだけ条件が向いたとしても、この馬が勝ち切るイメージは沸いてこない。直近のチューリップ賞は2着なのに、3着のリリーノーブルよりも下に見たのは、そのため。

 それに、ディープインパクト産駒の超一流馬というのは、最初からズバ抜けて強いもの。でも、この馬の場合は負けたレースもあるし、レースぶりを見ても、そこまで「ずば抜けている」と感じさせるものがない。馬体も小さくて、大物感という点でも乏しい。

 そうは言っても、確実に自分の力だけは発揮する馬。勝てないまでも、上位には必ず食い込んでくるんじゃないかな。

前頭筆頭:トーセンブレス(牝3歳)
(父ディープインパクト/戦績:4戦1勝、2着1回、着外2回)

 前走のフラワーC(3月17日/中山・芝1800m)では、桜花賞には出走しないものの、オークスで惑星と目されているカンタービレ(牝3歳/父ディープインパクト)に激しく迫ってクビ差の2着。あのグイグイと伸びる末脚には見どころがあったね。

 もともと2歳時には、阪神JFで上位3頭に次いで4着に食い込んだ馬。しかも上がりは、ラッキーライラックと同じタイムでメンバー最速だった。能力的な裏づけがあったわけで、フラワーCくらいは走って当然と言える。

 この馬も、終(しま)いの脚がしっかりしているところが長所であり、最大の武器。フラワーCでもメンバー最速の上がり時計をマークしたし、展開がはまれば、上位に食い込んでもおかしくない。

 作戦的にも、後方待機の末脚勝負とはっきりしているから、その"決め打ち"が好結果を生む可能性はある。前が激しくやりあって、ペースが極端に速くなったりすれば、浮上するのはこの馬だよ。

 ただ、勝ちにいって勝てるか? となると、そこまでの強さは感じない。あくまでも展開次第だろうね。

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