ドバイの4競走で「万馬券の油田」を掘り当てる日本調教馬はどれだ? (3ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 さらに、昨年の勝ち馬ヴィブロス(牝5歳)と昨年の香港クイーンエリザベス2世カップの勝ち馬ネオリアリズム(牡7歳)の間でも、双方で勝利したジョアン・モレイラ騎手が板ばさみとなった。結果、モレイラ騎手はネオリアリズムを選び、ヴィブロスにはクリスチャン・デムーロ騎手を迎えることとなった。

 こうした混乱をよそに虎視眈々と一発を狙っているのがクロコスミア(牝5歳)の陣営だ。オーナーの大塚亮一氏によれば、昨年1000万条件を勝ったばかりの次走、GIIIクイーンS(札幌・芝1800m)のパドックで、西浦勝一調教師からドバイターフ挑戦を打診されたのだという。西浦調教師の思惑はきっちりとその後の結果へと繋がり、ドバイターフへの切符をモノにした。父はかつてドバイで勝ったステイゴールド。大仕事の下地は整った。

 さらに昨年のヴィブロスを彷彿とさせるのがディアドラ(牝4歳)である。秋華賞(10月15日/京都・芝2000m)を勝って、翌春にこのレースに挑戦するのはまさにヴィブロスと同じ。滞在する厩舎でもヴィブロスの目の前の馬房に入って、その存在が大きな助けになっているとのことだが、レースでは「ひと足お先に」とばかりに先にゴールに飛び込むシーンがあってもおかしくはない。

 昨年は人気2頭がともに連対を外し、波乱の決着となったシーマクラシックには、レイデオロ(牡4歳)、モズカッチャン(牝4歳)、サトノクラウン(牡6歳)という昨年のGI勝ち馬3頭が出走する。

 この中で意欲的に調教が行なわれているのが、レイデオロとサトノクラウン。ともに強めではないものの、毎日芝コースで乗り込まれており、しっかりと馬場にフィットした動きを見せている。

 レイデオロに関していえば、前走の京都記念(2月11日/京都・芝2200m)は馬場も合わなかったうえに、かかってしまって自爆のような形になってしまった。ドバイと同じ芝質の香港でキングカメハメハ産駒は好成績を残しており、また、キングマンボの血とミスタープロスペクター(キングマンボ自身にも入っているが)の血の配合も、メイダンの芝コースでは相性がいい。一度使ってガス抜きがうまくできていれば、昨年のジャパンC(11月26日/東京・芝2400m)のパフォーマンスからも期待は大きい。

昨年のダービー馬、レイデオロ。順調に調教を消化している昨年のダービー馬、レイデオロ。順調に調教を消化している

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