今年だけ荒れる阪神大賞典。
穴党記者の4頭でトクトク馬券の組み合わせ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 高速馬場で力を発揮しそうな馬を見出すアプローチは同じながら、松田記者と吉田記者とはまったく異なる結論を導き出したのは、小田記者だ。

「今の阪神のような馬場であれば、面白いのはカレンミロティック(セン10歳)。前走の有馬記念は枠順(15番枠)に泣かされて、惨敗(15着)を喫しましたが、その前のGIIアルゼンチン共和国杯(11月5日/東京・芝2500m)では、アルバートと同タイムの5着とまだまだやれるところを示しています。

 ある程度前にいくクリンチャーであっても、この馬に競りかけるようなことは考えにくく、もしこの馬がうまく前で運ぶ流れになれば、極端な後半勝負にはならないでしょう。カレンミロティックが気持ちよく走って、そのまま粘り込むシーンがあっても不思議ではありません」

 一昨年の天皇賞・春では、あのキタサンブラックをゴールの瞬間まで苦しめたカレンミロティック。その走りが再現されれば、ここでも「十分に勝算が立つ」と小田記者は言う。

 そして、小田記者ももう1頭、推奨馬がいるという。重賞勝ちはないものの、昨年6月の1600万特別・グリーンS(阪神・芝2400m)でレコードタイムを叩き出した、シホウ(牡7歳)である。

「昨秋からの4戦はすべて関東遠征の競馬。長距離輸送の影響は少なからずあったと思います。しかし今回は、輸送の負担が少ない阪神。しかも、同馬にとっては得意の舞台です。重賞の実績は劣りますが、一発の魅力を大いに感じています」

「2強」が力を示して、例年どおり"堅い"決着となるのか。あるいは、GI馬不在という今年は、思わぬ伏兵馬の台頭があるのか。

 無論、望むのは後者。ここに挙げた穴馬が、"春の大嵐"を起こすことを期待したい。

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