タイムフライヤーは、もうGI馬なのに「よくなるのはダービーの頃」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

2018年クラシック候補たち
第6回:タイムフライヤー

 JRAでは2017年からGIに昇格したレースがふたつあった。そのひとつが、3歳クラシック第1弾の皐月賞と同じ舞台で行なわれる、年末開催の2歳GIホープフルS(中山・芝2000m)である。

 そして、記念すべきGI昇格初年度となった昨年末(12月28日)のレースで勝利を飾ったのは、松田国英厩舎(栗東トレセン/滋賀県)のタイムフライヤー(牡3歳/父ハーツクライ)だった。

GI昇格初年度のホープフルSを制したタイムフライヤーGI昇格初年度のホープフルSを制したタイムフライヤー 息の入らない厳しい流れの中、前半は15、16番手というほぼ最後方を追走。3コーナー途中からスパートをかけると、直線入口で一気に先頭集団を飲み込んで、そのまま他馬の追撃を振り切ってトップでゴール板を通過した。

 タイムフライヤーは、昨年8月にデビューした。その初戦は2着に敗れたものの、勝ち馬はのちにGIII札幌2歳Sを制したロックディスタウン。同馬とコンマ1秒差の惜敗で、決して悪い内容ではなかった。

 タイムフライヤー自身、ロックディスタウンに次ぐ32秒6という強烈な上がり時計をマーク。力があることを十分に示した。

 現に、続く未勝利戦、オープン特別の萩S(10月28日/京都・芝1800m)と連勝を決めた。萩Sでは2着に4馬身差をつける圧勝劇を披露。重馬場も苦にせず、直線に入ると大外を豪快に突き抜けていった。

 4戦目は、GIII京都2歳(11月25日/京都・芝2000m)に挑んだ。好位の3番手につける正攻法の競馬で重賞制覇を狙ったが、ここではゴール前でグレイルの強襲を受けて惜しくもアタマ差の2着に敗れた。

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