アンコールプリュは次元の違う末脚だ。桜花賞へ、新たなスター登場か (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 だがそれよりも、この馬に対する評価が急上昇したのは、その2週間後に挑んだ2戦目の結果を受けてのことだろう。500万下特別のつわぶき賞(12月16日/中京・芝1400m)に出走すると、強烈な内容で連勝を飾ったのである。

 大外枠だったこともあり、先行した初戦とは違って道中後方の位置取りとなったこのレース。アンコールプリュは4コーナー通過時点では11番手というポジションにあったが、直線に入ると、大外から目の覚めるような末脚を披露して、前方馬群をあっさりと差し切ってしまったのだ。

 上位に入線した馬のほとんどが34秒台の上がりを記録する中、同馬がマークした上がりタイムは33秒5。その圧巻の脚力に、多くのファンが度肝を抜かれた。

 陣営も、この白星で一気に桜の舞台が浮かんだのだろう。そのまま休養に入って、フィリーズレビューで出走権獲得を目指すことになった。

 実際、アンコールプリュに対する厩舎の評価は相当なもの。桜花賞へ向けて、そのポテンシャルに絶大な信頼を寄せているようだ。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「420kg台と小柄な馬体ですが、スタッフは『(アンコールプリュは)とにかくバネがあって、根性も素晴らしい』と絶賛。『落ち着きがあって、道中も力まない。さらに体の使い方がうまいので、2戦目のように届きそうもない位置から届く』と、その能力の高さに目を細めています。つわぶき賞は、最後に全体のラップが上がっていますが、その流れを後ろからかわしてしまうのですから、本当に大したものですよね」

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