注目の弥生賞は「2強よりむしろ、オブセッションだろ」と言える根拠 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 一方、ダノンプレミアムはデビュー戦(6月25日/阪神)こそ1800m戦だったが、以降、2戦目のGIIIサウジアラビアロイヤルC(10月7日/東京)、3戦目のGI朝日杯フューチュリティS(12月17日/阪神)は、ともにマイル戦。重賞2勝、それも楽勝という実績は群を抜いているものの、あくまでも距離経験という点においては、ダノンプレミアムよりオブセッションのほうに分がある。

 次に、現場の記者たちはどう見ているのか。日刊スポーツの木南友輔記者は、「2強」という評価自体に疑問を呈す。

「朝日杯FSについては、同日に同じコースで行なわれる古馬準オープンの元町Sと比較してそのレベルを評価することが多いのですが、今年勝ったダノンプレミアムは元町Sの勝ちタイムを上回る時計で完勝。レベルの高い走りだったことは間違いありません。

 ただ、サトノアレス、リオンディーズ、ダノンプラチナなど、過去に元町Sと匹敵する数字を残した勝ち馬でも、3歳を迎えて臨んだ前哨戦、弥生賞やスプリングS(中山・芝1800m)で敗戦を喫した事実があります。

 ワグネリアンについては、同じ友道康夫厩舎と金子真人オーナーのコンビでダービー馬となったマカヒキの同じ時期と比較して、走りの内容に幼い印象を受けます。

 もちろん、それでもオープン特別の野路菊S(9月16日/阪神・芝1800m)、東スポ杯2歳S(11月18日)と楽勝。確かにポテンシャルは高いと思いますが、それらのレースで破った馬たちのその後が低調なのは気になるところですね。

 また、2頭とも中山コースへの適性を問われた場合にどうか。トリッキーなコースゆえ、絶対視するまでには至りません」

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