3年目の藤田菜七子ジョッキーが好調なので、理由を聞きにいってみた (5ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Sportiva

――単に馬の好きに走らせていたら暴走にもなるところを、そうさせずに気持ちよく。

「なかなか真似できることではないですし、取り入れたいんですけど、実際にどうやっているのか判らないですし難しいです。実際に田辺先輩に聞いてみて、『こうだよ』と言われたところで、じゃあ簡単にできるかというと、頭でわかってもできないこともありますし、馬によって違うところもありますので、難しいですよね」

――馬によってということでいくと、最近の好きな脚質はありますか?

「私はとくにこだわりはなく、私が、というよりは、馬の走りやすさに合わせるものだと思っています」

――生々しい話ですが、馬券を買う側としても、「普通に馬券のお金を託せるジョッキー」いう評価が出てきています。なかなかグリグリ1番人気の馬に乗ることはまだ少ないなか、昨年8月の新潟の500万条件(ダート1800m)で1番人気のコパノビジンで勝ちましたが、そういう馬でも安心して見ていられましたし、ものすごく自信を持って乗れているようにも見えました。

「いやあ(笑)。あの馬は頑張り屋さんの面があって、頑張りすぎて、いきたがるんです。あのレースでも道中いきたがってしまって、最初はガッチリ抑えていたんですけど、むしろこれはいかせた方が落ち着くのかなと考えを切り替えて、ハナにいかせました。なので、結果として馬が強くて、馬に助けてもらっての勝利でした」

――でも、馬が強いだけでも勝てませんし、以前だったら無理に抑えて、良さを削いでしまっていたかもしれません。

「そうした『引き出し』が増えたことも、たくさんの馬に乗せていただいたからで、オーナーや調教師さんなどへの感謝に尽きます」

(つづく)

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