今の京都はディープ産駒に難。きさらぎ賞は「ジワ伸び2頭」が大正解

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Spots Nippon/Getty Images

 一昨年の勝ち馬サトノダイヤモンドをはじめ、2015年のルージュバック、2012年のワールドエースなど、数多くのクラシック活躍馬を送り出してきた注目の一戦、GIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)が2月4日に行なわれる。

 今年もクラシックで主役となりうる期待馬、注目馬が名を連ねているが、2勝以上挙げている馬が不在。実績的には、2歳重賞のGIIデイリー杯2歳S(11月11日/京都・芝1600m)2着のカツジ(牡3歳/父ディープインパクト)が最上位となっている。

 そして戦前の下馬評では、このカツジと、昨年の皐月賞馬アルアインの全弟ダノンマジェスティ(牡3歳/父ディープインパクト)が、人気の中心となっているようだ。

 ただ、ダノンマジェスティは新馬戦を勝ち上がったばかり。血統的な魅力と資質の高さで一目置かれているが、「絶対的な信頼は置けない」という声も囁かれている。日刊スポーツの太田尚樹記者はこう語る。

「ダノンマジェスティの初戦(阪神・芝1800m)は、上がり33秒0の鬼脚を繰り出して2着馬に3馬身半差をつける圧勝。厩舎スタッフも、『まだ(体が)できていない中で、あの勝ち方ですからね』と、その能力の高さに舌を巻いて、ここに向けても伸びしろが相当あると見込んでいます。

 ただ、懸念材料がないわけではありません。最大の課題は馬場です。昨秋から道悪での開催が多かったことで、京都の芝は例年以上に傷んでおり、騎手の間からも『馬場が荒れている』という声がよく聞かれます。

 そうした状況にあって、実は年明けの京都の芝では、ディープインパクト産駒が大苦戦をしています。先週までの開催9日間で、わずか3勝。勝率は5.2%と、例年の数字と比べると激減。時計がかかり、持ち前の切れ味が発揮できない馬場に泣かされています」

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