いま話題の角居厩舎が大切に育てる、
リンフォルツァンドは繁栄の一族

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選! 新馬情報局(2018年版)
最終回:リンフォルツァンド

 昨年6月からスタートした今年の新馬戦線。新馬戦自体は3月に終了し、以降は未勝利戦のみのレース体系となる。

 とはいえ、これからデビューする馬の中にも、キラリと光る血統背景の持ち主がいる。

 その1頭が、栗東トレセン(滋賀県)の角居勝彦厩舎に所属するリンフォルツァンド(牝3歳/父ディープインパクト)である。

まもなくデビュー戦を迎えるリンフォルツァンドまもなくデビュー戦を迎えるリンフォルツァンド

 母リッスンは、イギリスで戦った名牝。2007年にデビューすると、2歳の9月に出走したGIフィリーズマイル(イギリス・芝1600m)を勝利した。

 さらに、彼女の姉となるセコイアもアイルランドのGIを制し、引退後も繁殖牝馬として活躍。海外GI4勝のヘンリーザナビゲーターを送り出すなど、繁栄が顕著な一族だ。

 もちろん、リッスン自身も繁殖牝馬としての才能をすでに見せ始めている。

 2012年に日本で生んだタッチングスピーチ(牝)は、3歳時にGIIローズS(阪神・芝1800m)を制覇。GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)では3着と好走し、牡馬混合のGII京都記念(京都・芝2200m)でも2着になるなど、一級の実力を示した。

 2014年生まれのムーヴザワールド(牡4歳)は、新馬戦を快勝すると、すかさず重賞のGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)に挑戦。3着と健闘し、続くGIII共同通信杯(東京・芝1800m)でも3着と善戦した。

 その後、クラシック戦線には乗れなかったものの、昨年11月には自己条件を勝利。今後もさらなる成長が見込まれ、これから第一線での活躍が期待される逸材だ。

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