シンザン記念は「激走する良血馬」を見抜いて、初当たりおめでとう! (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Ito Yasuo//AFLO

名門・藤沢厩舎が送り出すファストアプローチも有力馬の1頭だ名門・藤沢厩舎が送り出すファストアプローチも有力馬の1頭だ ファストアプローチ(牡3歳・藤沢和雄厩舎)の父ドーンアプローチはデビューから7連勝で英2000ギニー(芝約1600m)を勝ったスピード馬。ソウルスターリングを出したフランケルと同じガリレオ系の種牡馬だ。叔父サトノクラウンは昨年のGI宝塚記念(阪神・芝2200m)、一昨年のGI香港ヴァーズ(シャティン・芝2400m)を勝ったほか、2歳時もGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)を勝っていたように、早い時期から重賞戦線を賑わせていた。GI朝日杯フューチュリティS(2017年12月17日/阪神・芝1600m)は6着と敗れたが、この相手なら中心的存在だろう。

 カシアス(牡3歳・清水久詞厩舎)は唯一の重賞勝ち馬で、GIII函館2歳S(2017年7月23日/函館・芝1200m)を勝っている。父キンシャサノキセキの産駒はこれまでJRA重賞を5勝しているが、すべて芝1400m以下。1600mの距離はやや不安がある。近親で、カシアスの父の父、フジキセキを父に持つファイングレインもGI高松宮記念(中京・芝1200m)を勝ったスプリンターだった。前走の朝日杯フューチュリティSも7着と敗れており、勝ち切るのは難しそうだ。

 アーモンドアイ(牝3歳・国枝栄厩舎)はGI香港スプリント(シャティン・芝1200m)を連覇した新種牡馬ロードカナロア産駒で、母フサイチパンドラはGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)の勝ち馬という血統だ。約3カ月ぶりの出走だが、前走の未勝利戦(東京・芝1600m)では2着に3馬身半差をつける圧勝を見せており、ここでも軽視は禁物だ。

 ツヅミモン(牝3歳・藤岡健一厩舎)はGI安田記念(東京・芝1600m)を日本レコードで勝利したストロングリターンの初年度産駒。母カタマチボタンはGI桜花賞3着馬で、祖母タヤスブルームもGIIIフェアリーS(中山・芝1200m)勝ち馬と筋の通った血統だ。中山の新馬戦(芝1600m)をハナ差で勝っただけで、あまり人気を集めそうにないが、センスを感じさせるレースぶりだったのでここでもマークしておきたい。

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