ミッキークイーンが秘める
「幻のトップギア」。有馬記念で炸裂するか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 過去10年の有馬記念(中山・芝2500m)において、牝馬は2勝。連対については、その2勝を含めて5回ある。

 ダイワスカーレットが、37年ぶりに牝馬による有馬記念制覇を果たしたのが2008年。それまでは、消耗戦になりやすい有馬記念は「基礎体力で劣る牝馬には不利」と言われてきたが、そんな"常識"は今の競馬では通用しない。

 全体の出走頭数が牡馬に比べて圧倒的に少ないことを考えれば、ここ10年間で5連対という成績は、まさに近代競馬においては、牝馬が牡馬とも互角に戦えるようになったことを示している。

 そして今年も、有馬記念(12月24日)には4頭の牝馬がエントリーしている。

 なかでも、能力と実績で一枚抜けているのが、一昨年の二冠馬(オークス、秋華賞)ミッキークイーンだろう。

有馬記念でミッキークイーンの一発はあるか有馬記念でミッキークイーンの一発はあるか 5歳となった今年も、GI宝塚記念(6月25日/阪神・芝2200m)とGIエリザベス女王杯(11月12日/京都・芝2200m)でそれぞれ3着と好走し、一線級と呼ぶにふさわしい結果を残している。

 ローテーション的にも、この秋はエリザベス女王杯を一戦したのみ。秋のGI戦を使い続けている馬と比べると、かなりフレッシュな状態にあり、今回はエリザベス女王杯でひと叩きした分の上積みも見込める。

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