有馬記念が有終の「キタサンブラック祭り」になる、これだけの根拠 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 過去2年も有馬記念に臨んだキタサンブラック。一昨年の3歳時が3着で、昨年の4歳時が2着だった。順番でいけば、今度は1着になる番ではある。

 有馬記念の年齢別成績を見てみると、過去30年では3歳馬11勝、4歳馬10勝、5歳馬8勝、6歳馬1勝。3、4歳馬に比べると5歳馬はやや分が悪いが、過去5年では5歳馬が2勝していて、いずれもこの有馬記念が引退レースだった。

 また、キタサンブラックは今年、天皇賞の春秋制覇を遂げている。これまでに、同年の天皇賞・春秋制覇を果たした馬は4頭いて、その4頭はいずれもその年の有馬記念に出走。その成績は、1勝、2着2回、着外1回となっている。

 一方、過去30年において、天皇賞・秋の勝ち馬で、その後のジャパンカップで負けたあと、有馬記念に出走した馬は12頭(※ジャパンカップ1着入線から降着のブエナビスタは除く)いる。その成績は、2勝、2着2回、3着1回、着外7回と、あまり振るわない。

 キタサンブラック自身の状態についてはどうか。ここまでの臨戦過程から推察してみると、若干不安がある。今年の宝塚記念(6月25日/阪神・芝2200m)では、まさかの9着惨敗。それは、春のGI戦線における激戦の疲れが出たものと見られ、この秋もかなりタフなレースが続いているため、最後にもうひと踏ん張りできる体力が残されているのか、という心配があるからだ。

 この春は、異例とも言える坂路3本というハードな追い切りも行なっていたが、この秋はそこまでの本数をこなすことはなくなった。無論、体力面を考慮してのことだろうが、年齢的な衰えもあって、それだけ激しい追い切りを消化できる状態ではなくなっているのかもしれない。

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