手前を替えろ、スワーヴリチャード!それなら有馬記念で古馬に勝てる (5ページ目)
「しっかりと休養して成長したことで、右トモの弱さがかなり解消されました。皐月賞のときと比べたら、右回りへの不安は少ないと言えます。実際、こちらで手前を替える練習をしましたが、かなりスムーズにできていましたから」
手前を替える練習は、通常コーナーでやるほうがうまくいきやすいという。しかし今回、スワーヴリチャードは直線でも指示に合わせて手前を替えることができていたそうだ。その姿は以前とは明らかに違って、有馬記念に向けては相当なプラス材料と言える。鈴木氏が語る。
「体がうまく使えるようになった分、手前を替えやすくなったのだと思います。こういった部分は、馬の成長によって変わってくるものなので。2歳のときから、この馬には"不器用"といった印象を抱いていましたが、ここにきてその認識も変わってきました」
もちろん、レースを終えてみなければわからないが、以前よりも右回りを克服できる下地は整っている。GI6勝のキタサンブラック(牡5歳)をはじめ、強力な古馬を敵に回して戦う準備はできた。
日本中のファンが注目するグランプリレースで、"不器用なスワーヴリチャード"から脱却し、成長した姿を見せつけることができるのか。覚醒の予感がある今、不安よりも期待のほうが大きい。
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