シュヴァルグラン&ボウマン&大魔神は
有馬記念もキタサンを倒せるか

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki photo by Nakahara Yoshifumi /AFLO

 そして今秋、GII京都大賞典(10月9日/京都・芝2400m)では1番人気に応えられず3着と敗れたが、前走のジャパンC(11月26日)では好位4~5番手から直線で力強い伸び脚を見せ、キタサンブラック、レイデオロを破り、悲願のGI初制覇を果たした。

 前走も騎乗したヒュー・ボウマン騎手(オーストラリア)はIFHA(国際競馬統括機関連盟)の2017年ワールドベストジョッキーに選ばれた騎手。現役の世界最強牝馬と見られているオーストラリアのウィンクスなどの主戦騎手を務めている名手だ。2年前の中山でも騎乗していて、GIIホープフルSをハートレーで、OPディセンバーSをトーセンレーヴで勝利した。

 有馬記念でも14番人気のトーセンレーヴで、4角13番手からメンバー中最速となる3F(ハロン)34秒4の末脚を繰り出し、勝ったゴールドアクターから0秒3差の6着(3着キタサンブラックとは0秒2差)に持ってきており、有馬記念の乗り方は掴んでいるだろう。ちなみに、シュヴァルグランは昨年の有馬記念にも出走しているが、後方追走から6着にとどまっている。

 父ハーツクライは2005年の勝ち馬。当時のレースは7連勝中の無敗の三冠馬ディープインパクトが単勝オッズ1.3倍の圧倒的人気を集めていたが、それまで追い込む競馬が多かったハーツクライを、ルメール騎手が早めに仕掛けて押し切ったという大番狂わせのレースだった。

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