ステイ産駒のウムラオフは、ディープ産駒の兄と「特徴があべこべ」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第30回:ウムラオフ

 12月の風物詩とも言える、暮れの中山開催。GI有馬記念(中山・芝2500m)をはじめ、中山特有のレースが多くのファンを楽しませる。もちろん、この時期に行なわれる2歳の新馬戦も、来年のクラシックを展望するうえでは見逃せず、ファンや関係者からの注目度は高い。

 その中山でのデビューを目指して、今まさに最終調整に入っている素質馬がいる。美浦トレセン(茨城県)の堀宣行厩舎に所属するウムラオフ(牡2歳/父ステイゴールド)だ。

デビューに向けて順調に調整されているウムラオフデビューに向けて順調に調整されているウムラオフ 母のウミラージは、イギリスで生まれてドイツで競走生活を送った。現役時代は重賞で入着止まりだったが、血統的にはドイツの代表的な血筋を引いている。

 彼女の父モンズンは、現役時にドイツのGIを3勝。引退後は、ドイツの種牡馬リーディングをたびたび獲得している。

 また、ウミラージの母方の系統を見ると、近親にドイツを中心に欧州のGIを4勝したウンガロがいる。まさしくドイツ競馬の粋(すい)を集めた血統だ。

 そんなウミラージは、すでに母として日本で成果を出し始めている。2013年に生んだウムブルフ(牡4歳/父ディープインパクト)は、長距離戦を中心に4勝をマーク。GI皐月賞(10着。中山・芝2000m)や、GI菊花賞(12着。京都・芝3000m)にも駒を進め、今後も豊富なスタミナを武器に活躍が期待されている1頭だ。

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