今週は香港だ。「強い日本調教馬」で、レースも馬券も世界に勝つぞ! (2ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 しかし、キセキに関しては気になるニュースもある。すでに日本でも報道されているように、左前肩と臀部に真菌性の皮膚感染症が見つかり、感染の拡大を防ぐために検疫地区でもさらに単独に隔離される処置が取られたとのリリースが、香港ジョッキークラブから出ている。実は、日本を出る時点ですでに症状は確認されており、現地入りしてから使用可能な薬剤で治療と考えられていたのだが、その報告が日本側から香港側になかったことから、やや大きな事態となったようだ。

 "隔離"ということについても、角居厩舎の岸本教彦調教助手によれば、到着時に入った馬房のままで特に移動を求められたわけでもなく、その後に他の馬が同じ棟に入っていないだけとのこと。調教でも他の外国馬と同じタイミングで馬場入りしていることから、状態については問題なく、むしろ臨戦態勢にある。すでに陰性にもなっており、見通しは明るそうなだけに、何とか出走にこぎつけたい。

 一方、トーセンバジルはレースでも騎乗するジョアン・モレイラ騎手を背に、僚馬ステファノスとの併せ馬で最終追い切りを実施。ステファノスを2馬身ほど前に行かせ、最後の直線で内からトーセンバジルが並んでゴールを駆け抜けた。モレイラ騎手も「想像していた以上に素晴らしい馬だという印象を持ちました」とコメント。枠順は7番とこちらも悪くない枠をひいた。馬自身は重賞未勝利だが、父はこの秋大活躍のハービンジャーだけに、その勢いに乗れるか注目だ。

 ライバルとなるのはこのレースを昨年2着、一昨年1着のハイランドリール(牡5歳/父ガリレオ)で間違いないだろう。昨年はサトノクラウンに屈したが、相手が悪かっただけで2着以下は大きく引き離している。これが同馬のラストランで、当然目いっぱいの勝負だろう。他にはブリーダーズCターフでこのハイランドリールを破ったタリスマニック(牡4歳/父メダリアドーロ)、鞍上がこのレースに強いオリビエ・ペリエ騎手のティベリアン(牡5歳/父ティベリウスカエサル)あたりか。

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