キタサンも驚く「一発」あるヨ。
ジャパンCの外国馬はクセ者ぞろい

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 しかし、その初タイトルが今年のGIコーフィールドC(10月21日/豪州・芝2400m)。以前、日本のアドマイヤラクティも勝った(2014年)ことのあるレースで、世界的なGIでもあるコックスプレートやメルボルンCの前哨戦といった位置づけの歴史あるGI競走である。

 同馬は、そのコーフィールドCで13番人気という低評価を覆(くつがえ)して大金星を挙げた。非常に意外性のある馬で、"遅咲き"という点では伸びしろも感じさせる。

 懸念されるのは、前走のメルボルンC(11月7日/豪州・芝3200m)で15着と大敗を喫したことと、9月以降にすでに5戦を消化していること。なにより、馬体の消耗が心配される。

 ただ、同馬を管理するデヴィッド・ヘイズ調教師は、27年前(1990年)にベタールースンアップでジャパンカップを制覇。そのベタールースンアップも、今回のブームタイムと同じく、ジャパンカップまでの3カ月間で5戦を消化していた。直前に4連勝で挑んだベタールースンアップとは成績面での差はあるが、臨戦過程において何ら不安はない。

 現に来日後も順調に調整され、東京競馬場に入厩した翌日の11月22日には最終追い切りを実施。最後に軽く仕掛けると、反応のいい動きを見せ、万全の態勢にある。

「レースの4日前に追い切りを行なうのは、本国にいるときと同じスタイル。前走の15着という着順は、勝ち目がないと判断した時点で、ジョッキーが無理をしなかったからね。その分、(馬に)ダメージはまったく残っていない。できるなら(27年前の)感動をもう一度味わいたい」

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る