JCでキタサンブラックを倒せるのは、未対戦のレイデオロしかいない (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 これまでジャパンカップに挑戦したダービー馬は、牝馬路線を歩んだウオッカ以外は、すべて牡馬クラシックの三冠目となるGI菊花賞(京都・芝3000m)を経由してきた。2000年にレーススケジュールが見直されて、それまで天皇賞・秋よりもあとに開催されていた菊花賞が、天皇賞・秋の1週前に行なわれるようになったとはいえ、まだ完成途上の3歳馬にとって、過酷な長距離戦での消耗は計り知れない。

 しかも、より強力な古馬と戦うために、短期間のうちに再度ピークの状態にもっていくことは、並大抵のことではない。それを考えれば、過去にその年のダービー馬がジャパンカップで振るわない理由がよくわかる。

 その点、今年のレイデオロは、二兎を追わずに一兎に絞り、菊花賞をあえてスキップ。ジャパンカップに照準を合わせたローテーションは、まさに万全と考えられるわけだ。

 再び、木南記者が語る。

「秋初戦の神戸新聞杯を圧勝したレイデオロ。そこで破ったキセキが、泥んこの菊花賞を難なく制覇。さらにダービー2着のスワーヴリチャードが、アルゼンチン共和国杯(11月5日/東京・芝2500m)で斤量56kgを背負って、古馬相手に完勝しました。それらのことを考えても、より実力上位のレイデオロなら、キタサンブラックにも十分、太刀打ちできると思います。

 神戸新聞杯の内容(好位から抜け出して後続に2馬身差)は、例年の勝ち馬以上のインパクトがありましたし、時計も上々。鞍上のクリストフ・ルメール騎手も自信を持って乗っていました」

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