ジャパンカップの打倒キタサンを検証。
サトノクラウンなら十分勝てる

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by AFLO


 血統を見てみよう。父マルジュは英GIセントジェイムズパレスS(芝約1600m)を勝ったマイラーで、母の父ロッシーニも仏GⅡローベルパパン賞(芝1100m)勝ち馬というスプリンター。全姉ライトニングパールは英GⅠチェヴァリーパークS(芝約1200m)の勝ち馬だ。血統的には短距離寄りのマイラーのイメージだが、サトノクラウンの競走成績はイメージと大きく異なるものとなっている。サラブレッドは必ずしも血統のイメージ通りに走るわけではないし、気性や育成方法によって、さまざまな条件に適応できる馬も出るので、この馬については今さら血統から距離適性などを論じる意味はないだろう。

 ただ、見方を変えると父マルジュの産駒には1999年ジャパンカップ2着のインディジェナス(香港調教馬)が、母の父の父ミスワキの産駒には1994年の勝ち馬マーベラスクラウンがいて、ジャパンカップには縁のある血統と言える。"特定のレースに相性の良い血脈"というのは存在するので、ここはそれに乗ってプラスに考えてもいいだろう。

 3歳時、4歳時の天皇賞・秋は17着、14着といずれも大敗していたが、今年は僅差の2着に健闘しており、これまでよりいい状態で秋を迎えているのは間違いない。サトノクラウンがキタサンブラックを破って3つ目のGI制覇を飾る可能性も十分だろう。注目したい。

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