マイルCSだから侮れぬ「夏のマイル王」。有力GI馬勢に肉薄あるぞ (3ページ目)


GI初挑戦となる「夏のマイル王」ウインガニオンGI初挑戦となる「夏のマイル王」ウインガニオン さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、サマーマイルシリーズ()のチャンピオンに輝いたウインガニオン(牡5歳)を取り上げたいと思います。
※夏競馬を盛り上げるために2006年から行なわれている重賞のシリーズ戦。6月~9月に開催される指定重賞での成績をポイント化し、その総合得点を競うもの。芝のスプリント戦(1000m~1200m)を対象にしたものが『サマースプリントシリーズ』、芝1600m戦を対象にしたものが『サマーマイルシリーズ』、芝2000m戦を対象にしたものが『サマー2000シリーズ』。

 結果的に「夏のマイル王」の座に就きましたが、もしサマーシリーズのことだけを考えていたら、関屋記念(2着。8月13日/新潟・芝1600m)のあとに、京成杯AH(9月10日/中山・芝1600m)も使っていたはず。他の馬に逆転されてしまう可能性が大いにありましたらからね。

 しかし、中京記念(1着。7月23日/中京・芝1600m)、関屋記念と使ったあと、躊躇なく休養に入りました。ということは、早くから秋の大舞台を意識していたのだと思います。

 関屋記念からの直行となりますが、前哨戦を使うと休みが短くなってリフレッシュできません。ちょうど3カ月の休み明けというのは、ある程度リフレッシュできた状態で悪くない間隔だと思います。

 関屋記念ではマルターズアポジー(牡5歳)に先着を許していますが、直線に入って後方からの追撃を待っている間に、うまく引き離されてしまった感がありました。同馬を目標にしていれば、違った結果になっていたのではないでしょうか。

 唯一の不安は、好走しているのがほとんど左回りであること。右回りは3歳未勝利(2015年6月28日/阪神・芝1600m)で初勝利を挙げたとき以来、ほぼすべて大敗を喫しています。

 とはいえ、充実期を迎えた今なら、右回りも難なくこなしてくれるのではないでしょうか。がんばってほしいです。

大西直宏オフィシャルブログ>

大西直宏公式LINE@始めました。
元騎手の視点で馬券のヒントになる情報をお届け!
友だち追加で「@0024n」を検索!
下のQRコードを読み取って頂くことでも見られます。

■競馬 記事一覧>>

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る