一族に活躍馬がズラリ。フランツは
「追っても息が乱れない」心肺能力

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 2004年に生んだヴィクトリーも新馬戦を快勝すると、早々に重賞戦線で活躍。3歳牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(中山・芝2000m)を制した。

 また、2005年に生んだ牝馬のスカーレットは、母として今年のダービーで3着となったアドミラブルを送り出すなど、グレースアドマイヤは繁殖牝馬としてトップランクの地位を築いた。そして、彼女からなる血脈は日本を代表する血筋として着実に広がり始めている。

 まもなくデビュー戦を迎える音無秀孝厩舎(栗東トレセン/滋賀県)所属のフランツ(牡2歳/父ディープインパクト)も、そのグレースアドマイヤから続く一族の末裔だ。

 同馬の母は、グレースアドマイヤが2008年に生んだロベルタ。フランツは、グレースアドマイヤの孫となる。アドミラブルと同様、孫世代からの活躍候補として注目を集める1頭だ。

 フランツの所属する音無厩舎は、これまでもこの一族の馬を何頭も管理してきた。そのスタッフから見て、同馬はどういった評価なのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンがその仔細を伝える。

「全兄のコペルニクスも音無厩舎の管理馬で、その兄は6戦して2着が3回。結局、あと一歩で勝ち星を挙げることができなかったのですが、『その兄とは違って、こちらのほうが(能力は)上ではないか』とスタッフは話しています。兄は普段から落ち着いていて、レースでは最後に甘くなって結果を出せませんでした。それに比べて、フランツは『普段はやんちゃ。でも、走らせると集中力があって、走りのバランスもいい』とのことです」

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