過去2年は度外視。天皇賞・秋はサトノクラウンが道悪をスイスイ勝つ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO

 今年に入ってからも京都記念(2月12日)を連覇。GI大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)では6着に敗れたが、GI宝塚記念(6月25日/阪神・芝2200m)では圧倒的人気のキタサンブラックが9着に大敗するなか、中団追走から力強い伸び脚を見せて差し切り、国内では初となる、GI2勝目を挙げている。

 今回はそれ以来の出走。このレースは過去2年連続出走しているが、2年前は17着、昨年は14着と大きく敗れている。過去2回とも4カ月以上の休み明けで、今回も昨年と同じく宝塚記念からの参戦となる。

 ただ、昨年までと違うのは、もちろん大きく力をつけたこと。昨年の天皇賞・秋以降はGI2勝を含む4戦3勝の好成績を残している。敗れた大阪杯は馬体重が12kg減って元気もなかっただけに、今回も馬体重はチェックしたい。昨暮れから今年の間で勝利しているレースは484kg~490kgで出走しており、468kgでデビュー勝ちした2歳時に比べ、だいぶ馬体も成長している。前走の488kgから大きく変わらない馬体重で出てくるのが理想だろう。

 今秋のサトノクラウンは香港へは向かわず、国内に専念することが表明されており、となると種牡馬入りした時の評価を考慮し、スピード能力をアピールできる2000m戦のタイトルが欲しいはずだ。

 血統は、父マルジュが芝8F(ハロン、約1600m)の英GIセントジェイムズパレスSを勝っており、全姉ライトニングパールも芝6F(約1200m)の英GIチェヴァリーパークSの勝ち馬と、中距離よりむしろ短距離~マイルをイメージさせる。すっかり2200~2400m戦に強いイメージになっているが、2000mに距離短縮されても上位争いできる血統背景は持っている。

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