前走8着でも、天皇賞・秋でソウルスターリングを推す記者の根拠は? (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 とはいえ、ここまではいいとしても、ソウルスターリングはディープインパクト産駒以外の馬にも先着を許して、掲示板にすら載れなかった。勝ったリアルスティールからはコンマ5秒差、2馬身以上離されての完敗だ。はたして、そこから巻き返しはあるのだろうか。

「巻き返しは可能と見ています」

 木南氏はそう語る。そして、さらにメンバーが強くなる本番でも好走は可能だと断言する。

「歴代2位の好時計だったオークスを制しているように、ソウルスターリングには自分から動ける機動力と時計勝負への強さがあります。前走は慣れない"逃げ"の作戦に出たことで、逆にペースを優先させてしまい、時計勝負へ持ち込めませんでした。

 また、一度使ったことで、今度は休み明けほどテンションが上がらず、落ち着いた状態でレースに臨める可能性が高いです。藤沢和雄調教師も『1回使って、ガス抜きができた』と言っていました」

 今度は叩き2走目。少なからず上積みが見込めるのは間違いないだろう。ただ、自身に向かないペースだったとはいえ、やはり最後に伸びを欠いたことは気になる。2400mのオークスを勝っているものの、以前、主戦のクリストフ・ルメール騎手は、「本質的にはそこまでの距離適性はないのではないか」という話をしていた。

 3歳牝馬同士であれば能力でカバーできたとしても、歴戦の強豪が相手となり、毎日王冠からさらに距離が延びる本番へ、不安は膨らむ。だが、その点についても、木南氏は次のように一蹴する。

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