今年そっくりな9年前の菊花賞から「とてつもない穴馬」が見えてきた (5ページ目)

  • text by Sportiva
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 ちなみに、古馬相手の重賞で好走してきた馬は、菊花賞でも好結果を残している。2007年に6番人気で2着となったアルナスラインと、2016年に9番人気で2着に食い込んだレインボーラインだ。ともに、前走は古馬相手の重賞で3着と奮闘していた。

 また、フローテーション同様、ウインガナドルは血統的な魅力もある。父は長距離巧者の産駒が多いステイゴールドであり、母父は名ステイヤーのメジロマックイーン。三冠馬オルフェーヴル、2012年の菊花賞馬ゴールドシップと同じ"黄金配合"なのである。

 一方のプラチナヴォイスは、よりフローテーションに似ている。春のGI戦で惨敗を繰り返してきたこと、それでも2歳時にはオープン特別を勝ち、今春のGIIでは3着と好走して能力の高さを早々に示していたことなどはほぼ同じ。さらに、休み明けの前哨戦でも敗れ、かなり人気を落としそうなのもフローテーションと一緒だ。

 血統を見ても、母父は菊花賞と天皇賞・春を制しているマンハッタンカフェ。長距離戦では無類の強さを見せてきた。プラチナヴォイスは、その血を受け継ぐステイヤーの可能性もある。

 かつて大波乱を起こしたフローテーションに似た、ウインガナドルとプラチナヴォイス。当時と同じような状況にある中、どちらかがフローテーションの再現を果たしてもおかしくない。

 本命不在の大激戦のうえ、展開すら読めない3000m戦の死闘。淀の舞台を騒然とさせるような意外な馬が、最後に大輪を咲かせる可能性は十分だ。

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