今年そっくりな9年前の菊花賞から
「とてつもない穴馬」が見えてきた

  • text by Sportiva
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 そして今年も、有力馬が次々に回避していく中で、夏場に条件戦を連勝し、神戸新聞杯でダービー馬に次いで2着となったキセキが1番人気になりそうなムードにある。2008年と非常に近い状況だ。

 その2008年の結果を見てみると、オウケンブルースリが見事人気に応えたものの、2着には15番人気のフローテーションが飛び込んできた。その結果、馬連は1万7820円の高配当となっている。

 フローテーションは、春のクラシック2戦で惨敗し、休み明けの神戸新聞杯でも12着と大敗を喫した。そのため、菊花賞でも人気にはならなかったが、2歳時にはオープン特別を勝っており、3歳春にはGIIで2着になるなど、実力があることを随所で見せていた。

 しかも、同馬は父がGI天皇賞・春(京都・芝3200m)を勝っているスペシャルウィークで、母父がステイヤー産駒を多く出しているリアルシャダイと、生粋の長距離血統だった。菊花賞で番狂わせ起こす"要素"を存分に持ち合わせていたのだ。

 では、今年はそんな馬がいるのか。フローテーションと似たような雰囲気が漂うのは2頭いる。ウインガナドルプラチナヴォイスだ。

古馬混合の重賞でも好走しているウインガナドル古馬混合の重賞でも好走しているウインガナドル ウインガナドルは、重賞勝ちがないゆえ、今回もそこまで人気は上がらないだろう。しかしながら、GIIIラジオNIKKEI賞(7月2日/福島・芝1800m)で2着と好走。前走でも、古馬相手のGIII新潟記念(9月3日/新潟・芝2000m)で4着と健闘している。

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